49話が最高すぎたという話
※この文章にはTVアニメ「ヘボット!」及び49話「さよならヘボット」の多大なるネタバレがあります。
※衝動で書いているので事実の齟齬、読みにくいっぷり、主観的発言は多々あると思います。ご注意ください。
※考察ではなく感想文です。 全体的な感想なので込み入ったことにはほぼ踏み込んでいません。
49話「さよならヘボット」の話をする。
その前に、まだヘボット!を見ていない人(そんな人がこのエントリを読むかどうかは置いておいて)はYouTubeのバンダイチャンネルで是非とも「ヘボット!第1話ヘボッと生まれて屁・ボーン!」と「ヘボット!49話さよならヘボット」を見てほしい。
その後、自分に合うと思えばバンダイチャンネルに課金して全話見るなり、DVDを買うなりしよう!
DVDはあと1500人が予約したらDVDのオマケに全話収録Blu-rayが付くぞ!
今の時点でもサントラと字幕とパチボットのペーパークラフトは確定しているよ。
本題に移る。
最高ポイントは大きく分けて3つで、
①1話アバンとの対比
②星々のものとアバター/分身/子孫/想い人の関係
③それぞれの『ネジル』と『ヘボット』の別れ
を主軸に話していこうと思う。
① 1話アバンとの対比
誰もが「ああこういうシリアスっぽいギャグなんだな」と思っていた、そしてループものだとわかった際に「あれは過去の話だったのか」と思われていた1話アバン。
私が初めて見たのは七月くらいなのでリアルタイムの空気感はまったく知りようもないが「1話からはアクが強いから最新話から見たほうがいい」とは常々多々方面から言われていたと記憶している。
破壊されていく次元院の艦隊、倒れているメインキャラクターたち、明らかに悪者顔のソルジャーボッツとネイルガンドラゴン。 それにやられているヴィクトリニティリーマン。
指揮をとっている女性と、その女性を「プリンセスヴィーテ」と呼ぶ主人公然としたマンドライバー。 そしてネジキール卿。
そして空から降ってきたヘボットによる「めっちゃ先の話、勝手に流すなヘボ」
これがざっくりとした1話アバンの要約。 この時からマンドライバーとネジキール卿が『ネジル』であったことはかなり示唆されている。
そして今回、多くのカットで1話アバンが使いまわされている。
けれど、「この周回のヘボネジコンビがいる」という点を中心に何もかもが違う。 この時点で「オタクの好きなやつーーー!!」って叫ばなかった人はいないだろう。
相違点としては、
・ヘボネジコンビがいる。
・旧カルテットと星々のものがいる。
・チギルとペケットがいて、新カルテットは八人体制である。
・マンドライバーとネジキール卿とリーマンズが親交を深めていた。
・ヴィクトリニティリーマンにリーマンズの意思があった。
・キャラの服装が違う(おそらく「明確に過去のものとは違う」ということの暗喩だと思っている)
・黒ヘボットが主導して終わらせようとしていた。
・ヴィーテ中の「終わらせるもの」が目覚めかけていた。
めちゃくちゃある。 私が気づいてないだけでもっとあると思う。
1話のリフレインを繰り返しながら新規カットを多数モリモリ盛り込み、「これは明らかに1話アバンとはちがう!」と思わせながら高めていくのがアツイ。
(「1話アバンが本当にこの周回の本来の未来なのか、それとも過去の周回の話なのか」は現状推察しかできないのでノーコメント)
②星々のものとアバター/分身/子孫/想い人の関係
土星代表のサートゥルヌスは分身であるボキャ美に「ボキャ美自身の初恋のためにここは任せて先に行け」と促す。
火星代表モエナイと金星代表カスリ姫は自身らの子孫を助け、先に進めた。
彼らは皆、自分の生み出したものを「自分の一部/所有物」とせず、「独立したいち個人」として認め、未来に向かわせる。
これがエモくなくてなにがエモか!
ナグリを助けて消えていくジル王と「愛ゆえに悲しもうが愛ゆえに傷つこうが、愛ゆえに強くなればいい」で奮起するナグリ。
プルートに恨み節を言うバッティ(偽)を「偽物」と一刀両断するプルート。
関係性がすごくエモーショナル。 スキスキ大好きー!
忘れちゃならないのがヴィーテの「ネジルゼロに一言だけ。 これが最後になるかもしれないから」からの「鈍感おばか!!」
意味のわかってない鈍感なオールディス、爆笑しながら「青春か」と突っ込む旧カルテット。
最高すぎひん????????(語彙力ない顔)
ヴィーテが「楽しそうだったから」って言ってギャグに巻き込まれたのも凄く良い。
モエカストリオがスーパーモエカストリオになるシーンも酷い。 かっこよく見えるのがひどい。 大好き。
「記憶に残る名場面は脇役が作る!」
「明日また遊ぼうぜ!」
のシーンはほんとうにすごい。 今まで「主人公」の枠を狙ってハチャメチャやってたモエカストリオが、ネジルを主人公だと認めて脇役になることを選んだ。
この「最初のロールを捨てて今のための選択をする」というのが49話では非常に多い。
後述するがネジキール卿と黒ヘボットもそうだし、ボキャ美もヴィーテもだし、もしかしたらネジル自身もそうかもしれない。
これを役割(設定)に対する反逆と取るか、本来の役割(アニメ的なキャラクターのポジション)に回帰したと取るかは自由だろうが強調すべきは「自分で自分の役割を選び取った」ということに尽きるだろう。
忘れちゃいけない兄上トゥルー。 なんのアニメだ!
なのだが、この人はなにやっててもオイシイしカッコいいので語れることは特にない。
チギルもジルもネジルに対して家族愛があるのがすっっげ〜〜〜好き。 みんな家族だ!
③それぞれの『ネジル』と『ヘボット』の別れ
49話はサブタイトル「さよならヘボット」の通り、多くの『ネジル』と『ヘボット」が別れを告げている。 主にヘボットがいなくなることによってだ。
最初はネジルゼロと白ヘボット。 レベルの足りない屁ボーンのしすぎで自壊した。 この際にヴィーテは「貴方の相棒になりたい」と白ヘボットのネジ魂に自身の魂をそそぐ。
そのことに気づいてなかったネジルゼロェ……。
次に世界を虚無で満たして「ネジルとヘボットの二人きりの世界」を作ろうとした黒ヘボットとネジキール卿。
別れはネジキール卿の裏切りによってもたらされる。 しかし、本来なら1話のように完全に敵としてネジ切っていただろう。
ここで注目すべきはリセットした際のネジキール卿のセリフ「心の声に従っただけだ」。 何度もヘボットが繰り返し言っていた「心のネジ」ではなく「心の声」なのがミソ。
これは単にネジルの本来の役割が「世界のネジれを正すこと」で、それはネジキール卿も例外ではなかったのだということを暗に示しているように取れるし、「ボキャリーマンズやマンドライバーというヘボット以外にも出来た親しい関係を失いたくなかった」という成長にも取れる。
ここで考える隙を作られると無限に考えられる。好きだぜ。
ネジキール卿とは反対に、アッサリと判明したのがマンドライバーと純正ヘボット。
「あいつ目が怖いベポ」
執着が強すぎて逃げられて、地獄でボキャメンテ夕子と相棒になった純正。
ここで疑問に浮かぶ「壊されたヘボットとは」「マンドライバーの装甲は何?」等々は憶測の域を出ないし私もイマイチわかってないのでスルー。
黒ヘボットとネジキール卿が「本当に相棒なのか?」と疑われるなか、マンドライバー純正共に相棒だったと自覚してハッキリ判明しているのはまだ救い…になるのか?
1話から39話に至るまで敵同士だったマンドライバーとネジキール卿。 39話以降はギャグキャラ堕ち(本来の性質に戻った)してボキャリーマンズのもとで再教育。
親交を深めたうえで48話のネジキール卿は黒ヘボットを選び、49話で黒ヘボット以外を選んだ。
その果ての友情合体、豚肉。 いやなんでさ。
なんでさ!?!?!?(わかりません)
ラスト。 現ネジルと現ヘボット。
フィーネがラスボス決定戦で勝利し、虚無ヘボが目覚め、ペケ魂SOULコンボが流れていく中仲間が消えていく。 このシーンの一枚絵のボキャ美が美人すぎる。
ネジ工場回(厳密にはネジ拳ボキャフェス回から)始まるネジルの発狂、忘却は未だよく理解できていないので割愛。 頭のいい人解説してくれ。
そうして誰もがネジルのために消えたのにネジル自身は何が消えたのかわからないまま、最後の瞬間を迎える。
壊れるヘボット、流れるED、消えながらフィーネを倒すオールディスとナグリ。虚無ヘボの屁ボーン。 世界が虚無に。 目覚めないヘボットと、涙をこぼすネジル。
「ネジれを正すのはネジれから生まれたもののみ」(サートゥルヌス)
「そなたが望めば相棒と共に歩んでいけるでコブシ」(ナグリ)
「お前が経験した時間と空間、ヘボットとの思い出」(チギル)
「それをネジ魂にそそぐのだ。お前自身と、相棒の記憶として」(オールディス)
「その黒いトキトキネジを使うのだ、我が愛しき息子」(ジル王)
語りかける大人たち。 この時の姿にはサートゥルヌスはおらず、オールディスはネジルのアホ毛、ジル王は普通の眉毛になっている。
「君たち誰?てか僕さまネジになれるの!?」(ネジル。 感情の起伏が最早ナゾ)
壊れたヘボットにネジルはトキトキネジを挿す。 ネギになったりマカロニになったりするヘボネジコンビ。
導くヴィーテ(フィーネ)の「あなたのネジが待ってる」
いつものEDとは違い、手を握りしめるヘボネジコンビ。
そしていつもの世界へ。
ここはもう映像で見てもらいたいのだが、イクニ作品やエヴァ等の「なにしてるのかはよくわからないけどとりあえず泣ける」系譜だと思う。 泣いた。
最後のネジルはヘボットとの再会を諦めなかった。 ネジ魂になることで探し続け、描写を見る限りだと「強くてニューゲーム」をしたのだろうか。
今回のラストを見ると一瞬「ハッピーエンドだ」と思うが、フィーネや次元ネジに関してはなにも解決していない。
どう決着つけるのかあと6日、悶々としながら待つ他ない。
(次回予告のヘボトーの波動に震えながら)